ミドリムシ(ユーグレナ)ってどんないきもの?

ミドリムシは「動物」でも「植物」でもある不思議ないきもの

動物と植物の両方の特徴をもったミドリムシ(学名:Euglena/ユーグレナ、和名:ミドリムシ)は、淡水で育つ、ちいさなちいさな藻(も)の一種。「ミドリムシ」と名はつくけれど、実は「虫」ではないんです。ミドリムシ(ユーグレナ)は緑色の体で植物のように光合成を行って栄養分を体内に蓄えるだけでなく、動物のように細胞を変形させて移動することもできます。このように生物学上で植物的と動物的、両方の性質を備えている生物は非常に珍しい存在です。

動く植物

ミドリムシは「植物」だから「光合成」で栄養素を作れる

ミドリムシ(ユーグレナ)は植物の性質を持つことで、光合成によって成長していくので水、光、二酸化炭素さえあれば育つことができます。そして栄養素の生産効率はなんと稲の約80倍とも言われています。また、高濃度の二酸化炭素の中という過酷な環境下でも成長していける生存能力の高さも注目すべき部分です。大気中の約1,000倍という高い二酸化炭素濃度の中でも、元気に生育していく適応能力を持っています。そして光合成を行うということは、二酸化炭素を炭水化物等に固定化して酸素を作る、つまりは吸収してくれる訳ですが、この効率がミドリムシ(ユーグレナ)はとても優れていることで、二酸化炭素の削減から温暖化防止への貢献が期待されています。ミドリムシ(ユーグレナ)二酸化炭素の削減能力は熱帯雨林の十数倍というデータもあるほどなのです。

光合成

ミドリムシは0.05mmの小さな小さないきもの

ミドリムシ(ユーグレナ)の体長は、わずか約0.03mm(30ミクロン)から0.05mm(50ミクロン)で、幅は約0.01mm(10ミクロン)と小さな微生物です。髪の毛の太さがおよそ0.07mmなので、なんとそれよりも小さいことになります。その姿をハッキリ見るためには顕微鏡で見るしかありません。しかしこの小さなカラダに無限の可能性を秘めています。

0.05mm

ミドリムシは5億年以上前に誕生した人類の先輩

ミドリムシ(ユーグレナ)は、5億年以上前に、原始の地球で誕生したいきものです。ヒトの起源が数百万年前といわれていますので、ミドリムシ(ユーグレナ)は桁違いに大先輩なのです。ミドリムシ(ユーグレナ)は1660年代にオランダのアントニ・ファン・レーウェンフック氏が発見しました。レーウェンフック氏は、顕微鏡の発展に大きく貢献した人物として有名です。ユーグレナという名も、レーウェンフックによって名付けられ、ラテン語で美しい(eu) 眼(glena)という意味を持っています。その後、1950年代にアメリカのメルヴィン・カルヴィン氏は、ミドリムシ(ユーグレナ)等を用いた光合成の研究を行い、光合成による炭素固定反応であるカルビン・ベンソン回路を確立。この功績によって1961年にノーベル化学賞を受賞しています。1970年代に入ると、ミドリムシ(ユーグレナ)はアメリカ航空宇宙局(NASA)からも注目され、宇宙開発の視点での研究が進みました。宇宙での挙動を見る際の代表的な生物の一つとして選ばれたのが始まりなのですが、加えてミドリムシ(ユーグレナ)が太陽光と二酸化炭素で育つことができること、そして乗務員の呼吸によって出た二酸化炭素がミドリムシ(ユーグレナ)の成長を促し、結果として酸素が得られるという二重のメリットがあることも注目されました。また、1990年代では、ミドリムシ(ユーグレナ)を使った医療、医薬品の開発、二酸化炭素固定などについての研究がさらに実施されていきました。そして2005年に株式会社ユーグレナが、世界初となるミドリムシ(ユーグレナ)の食品としての屋外大量培養に成功しています。

5億年前

ミドリムシは59種類もの豊富な栄養素を持っています

動物と植物、両方の性質を備えているミドリムシ(ユーグレナ)は、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、カロテノイド、不飽和脂肪酸など、実に59種類もの栄養素を備えています。人間が生きていくために必要な栄養素の大半を、ミドリムシ(ユーグレナ)は含んでいると言っても過言ではありません。このような高い栄養価を誇るミドリムシ(ユーグレナ)は、先進国の人々にとっては日々の食生活で足りない栄養を補う栄養補助食品、サプリメントとして頼りになる存在です。また、発展途上国などで微量栄養素の不足に苦しんでいる人々に向けた食料援助の素材として、ミドリムシ(ユーグレナ)は大きな手助けとなりえる可能性を持っています。

ミドリムシの栄養素は効率的にヒトの体内へ吸収されます

ミドリムシ(ユーグレナ)は動物、植物の性質を持つことから植物に含まれるビタミンCや葉酸、動物に含まれるDHA、EPA、ビタミンB1と、両方の栄養素を備えています。また、生物学的な大きな特徴として忘れてならないのは、植物にある細胞壁がなく、細胞が細胞膜で構成されていることです。ちなみに細胞壁があると、人間にはこれを分解するセルラーゼという分解酵素を作ることができないため、栄養素の吸収効率が悪くなってしまいます。しかし、ミドリムシ(ユーグレナ)の細胞を覆っているのは細胞膜のみであるため、効率的な栄養吸収が可能となります。つまりミドリムシ(ユーグレナ)は植物の栄養素を持ちながら、細胞膜でしか覆われていないのです。これは本来なら吸収効率の悪い植物性栄養素を、ミドリムシ(ユーグレナ)でなら動物性栄養素と同じくらい、確実に体内で取り込めることを意味しています。

・ β-カロテン ・ α-カロテン ・ ビタミンB1・ ビタミンB2・ ビタミンB6 ・ ビタミンB12 ・ ビタミンC ・ ビタミンD・ ビタミンE ・ ビタミンK1 ・ ナイアシン ・ パントテン酸・ ビオチン ・ 葉酸

・ マンガン ・ 銅 ・ 鉄 ・ 亜鉛・ カルシウム ・ マグネシウム ・ カリウム・ リン・ ナトリウム

・ バリン ・ ロイシン ・ イソロイシン ・ アラニン・ アルギニン ・ リジン ・ アスパラギン酸・ グルタミン酸・ プロリン ・ スレオニン ・ メチオニン ・ フェニルアラニン・ ヒスチジン ・ チロシン ・ トリプトファン ・ グリシン・ セリン ・ シスチン

・ DHA ・ EPA ・ パルミトレイン酸 ・ オレイン酸・ リノール酸 ・ リノレン酸 ・ エイコサジエン酸 ・ アラキドン酸・ ドコサテトラエン酸 ・ ドコサペンタエン酸 ・ ジホモγ-リノレン酸

・ パラミロン(β-グルカン)・ クロロフィル ・ ルテイン・ ゼアキサンチン ・ GABA ・ スペルミジン ・ プトレッシン

59種類

ミドリムシのユニークな栄養素「パラミロン」

パラミロンとは、ミドリムシ(ユーグレナ)特有の成分です。パラミロンは、β-1,3-グルカンの高分子体でミドリムシ(ユーグレナ)が光合成によって生産された糖を効率よく貯蔵するために作られていると考えられています。パラミロンの粒子は、らせんが絡まったような複雑な構造になっています。そして表面には無数の小さな穴(ミクロホール)が開いており、不要物を取り込むことが可能と言われています。さらに難消化性という性質から、パラミロンは吸収されずに排出されます。例えるならパラミロンの構造は炭にとても似ています。炭は消臭効果が高いことで有名ですが、これは炭の表面にある多くの孔が、臭みの原因となる分子などを吸い取っているからです。大気中にある悪臭の原因を吸い取っていくのが炭ですが、パラミロンは炭と同じ働きをして不要な物質を吸い取っていくのです。

パラミロン
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ミドリムシトピックス

ミドリムシ(ユーグレナ)はどこで生産されている?

ミドリムシたちは自然豊かな沖縄県"石垣島"で生まれています

ミドリムシの生育には欠かせない3つの条件、「澄んだ空気」、「きれいな水」、「豊富な太陽光」これらを満たす最高の自然環境が備わっていたのが石垣島でした。現在、ミドリムシの屋外大量培養は沖縄県石垣島の提携先工場にて行われています。 沖縄県の中で三番目に広い面積を誇る石垣島は、赤道に近くてとっても自然豊かな南国の島です。太陽光(日照量)、水、気温はミドリムシの生育には欠かせない重要なポイント。 亜熱帯地方にある石垣島は1年の平均気温が23度以上で晴れの日も多く、太陽をいっぱい浴びることが出来ます。 更に、島のほぼ中央に位置する於茂登岳からは非常に水質が良い地下水が得ることが出来るんです!石垣島はミドリムシが光合成を行うのに最適な環境が整っており、より栄養価が高く、高品質なミドリムシを生産することができる場所なのです。

ミドリムシが食を変える

いろんな食べ物にミドリムシが使われているんだね♪

動物と植物、両方の性質を備えているミドリムシ(ユーグレナ)は、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、カロテノイド、不飽和脂肪酸など、実に59種類もの栄養素を備えています。人間が生きていくために必要な栄養素の大半を、ミドリムシ(ユーグレナ)は含んでいると言っても過言ではありません。

またミドリムシ(ユーグレナ)特有の成分パラミロンには、不要物を吸着・包摂し、排出する働きがあることが分かってきています。食材としてとても優秀なミドリムシを使った美味しいグルメを、みなさんが気軽にご賞味いただけるよう、株式会社ユーグレナは日々努めています。

ミドリムシ(ユーグレナ)が美を変える

ミドリムシがまさか化粧品にも使われているなんてスゴい!

豊富な栄養素を備えているミドリムシ(ユーグレナ)は、食品だけでなく化粧品としても活用できる素材です。

ミドリムシ(ユーグレナ)を加水分解したエキスには、様々な作用があることが実験の結果分かってきています。例えば、紫外線(UV)に対する防御力の強化、若々しい肌作りに大きな影響を及ばす皮膚線維芽細胞の増殖効果の向上、また、同じく美肌作りに重要な要素と言われるコラーゲンの合成を促進させる働きを持っていることなどが判明しており、肌の再生や保護を助けてくれる存在です。

さらに痛んだ髪の修復にも効果があります。髪はダメージを受けることで水に溶けやすい親水性となり、水分や内部の成分が外に流れやすくなってしまいますが、ミドリムシ(ユーグレナ)には親水性と逆で水に溶けにくく成分の流出を防ぐ疎水性のアミノ酸が豊富に含まれています。この疎水性アミノ酸の働きによって、髪のダメージケアを行うことが出来ます。

そして株式会社ユーグレナが、ミドリムシ(ユーグレナ)を加水分解した化粧品用のエキス「リジューナ(Rejuna)」の開発に成功しました。リジューナを用いたクレンジング、洗顔、石鹸、スキンケア、ヘアケア、日焼け止めなどの様々な種類の化粧品の製造が可能となっています。

ミドリムシ(ユーグレナ)が燃料を変える

ミドリムシの作る油がバイオ燃料として応用できるんだ!

今、次世代の燃料として関心を集めているのが植物、藻類などから作り出すバイオ燃料です。バイオ燃料は、石油などの化石燃料と違って資源が枯渇する心配がありません。また、化石燃料は燃料として使用することで新たに二酸化炭素を排出していくだけですが、バイオ燃料は原料となる植物、藻類が成長する際に二酸化炭素を固定し、それを燃料として排出しています。そのため、全体で見れば二酸化炭素の排出量が増えないことになり、温暖化の防止に効果があります。

そしてミドリムシ(ユーグレナ)は、光合成によって二酸化炭素を固定して成長する時、油脂分を作り出しており、これはバイオ燃料の元として利用可能です。

特にミドリムシ(ユーグレナ)は、微細藻類の中でも抽出・精製されたオイルが軽質であるため、他の微細藻類に比べてもジェット燃料に適していることが分かっています。

ミドリムシ(ユーグレナ)が飼料を変える

ミドリムシの活用には無駄が全くないんだね!

ミドリムシ(ユーグレナ)は、良質のタンパク質、各種ビタミン、高度不飽和脂肪酸などを含んでおり、バイオ燃料の原料となる油脂分を抽出した後の残渣を利用した飼料も高い栄養価を備えています。

養殖魚への飼料としてミドリムシ(ユーグレナ)は長年研究されており、不飽和脂肪酸であるDHAを含有しているミドリムシ(ユーグレナ)をマダイやヒラメの稚魚、仔魚に与えることで、生存能力、活力を向上させるというデータが論文から得られています。このように水産飼料としても大きな可能性を持っており、今後の事業化が期待されています。